楽器を弾けない時間にできる練習

賃貸であったり、夜遅い時間になってしまっていたりすると、普通にヴァイオリンを弾くことは難しいんじゃないかと思います。
そこで、今回は楽器に触れずに練習する方法を紹介します。

右手編

鉛筆や箸を弓と同じ持ち方で持ってみる

弓よりもずっと軽く、持ちやすいはずです。
この持ちやすさが重要です。

この練習で確認するポイント

  • 弓の位置ごとの右手のフォーム
  • 縦方向・横方向へ指弓を使えるか
  • トレモロくらいのスピードで1分間真っ直ぐに動かし続けられるか

恐らく、手首や指の使い方を何となく理解している方、慣れてきた方は弓に持ち替えてもできると思います。
ただ、慣れていない方は恐らく鉛筆や箸であってもこれらの動きができないと思います。
これは練習が不足しているからではなく、動きを頭と体が理解していないためです。

そのため、まずは自分にとって扱いやすいものを使って、頭と体で動きを覚えていきましょう。

何も持たずにエアボウイング

こちらも鉛筆や箸での練習と目指すところは似ています。
この練習は家の中でやるようにしましょう。鏡の前でやるのがオススメです。

この練習で確認するポイント

  • 弓元、真ん中、弓先で腕に余計な力が入っていないか
  • 可能な限り遅いスピードで、弓元から弓先まで使った時の腕の動きを再現して、自然に呼吸ができるか。(※)
  • 可能な限り早いスピードで、弓元から弓先まで使った時の腕の動きを再現して、腕が痛くならないか(※)

※弓先から弓元も練習する

左手編

薬指の分離練習

【!注意!】
この練習は、無理してやりすぎると腱鞘炎になります。短時間の練習でとどめ、決して無理はしないで下さい。

テーブルの上にピアノを弾く時と同じような形で指を乗せてみましょう。指は少し丸めるくらいです。

その状態で、人差し指と薬指を中指の第一関節(一番爪に近い関節)付近まで上げてみましょう。
何日か練習して慣れてきたら、今度は薬指だけ上げてみましょう。

この練習で確認するポイント

  • 指の力だけでなく、手のひらを開く力も上手く使えているか
  • 指を上げる時に指が伸びきっていないか
  • 再度指を下ろす時に音を立てることができるか

楽譜を目で追いながら運指を確認

この練習でもテーブルの上でピアノを弾く時と同じような形で構えてみましょう。
テーブルの少し上で構えて、テーブルを指で叩くイメージです。
実際にヴァイオリンを弾く時は腕を内側へひねる必要がありますが、これは指のトレーニングなのでピアノと同じような構えで問題ありません。

この練習で確認するポイント

  • 余分な動きが混じっていないか
  • 素早く叩けているか
  • 全音・半音は認識できているか
  • 指先だけでなく、物を掴む時に使う筋肉や関節を意識できているか

音源・映像編

パート譜を見ながら音源を聴く

どこを弾いているのかわからなくなったり、拍がわからなくなったら、わかるところまで巻き戻します。
長い休符のあるところは、どのパートの音を目印にするかをスコアで確認しましょう。

この練習で確認するポイント

  • 楽譜を見るだけ、音源を聴くだけになっていないか
  • 指でリズム叩けるか
  • 音源と楽譜から音が想像できているか

映像を見てフォーム研究

プロとアマチュアでは、フォームの完成度に天と地ほどの差があります。
まずは大まかにでも良いので、具体的に何が異なっているのかを見つけてみましょう。そう簡単にはわからないと思いますが、何が異なるのかを考えて練習に取り組むと、取り組み方が変わります。

参考にするヴァイオリニストとして筆者がお勧めしたいのは以下のヴァイオリニストです。

男性ヴァイオリニスト

  • 三浦文彰
  • フランク=ペーター=ツィンマーマン
  • オーギュスタン=デュメイ
  • アンタル=シャライ
  • リヴィウ・プルナール

女性ヴァイオリニスト

  • ヒラリー=ハーン
  • イザベル=ファウスト
  • ユリア=フィッシャー
  • ニコラ=ベネディッティ
  • 庄司紗矢香

いずれのヴァイオリニストも素晴らしいです。そして芸風・体格・フォームが異なります。
自分の体格や好みに近いヴァイオリニストのフォームを研究してみると、何か発見があるかもしれません。

※ここに上げた以外のヴァイオリニストにも個人的に好きな方は沢山います。

おわりに

ここまで上げた以外にも、沢山楽器を持たずにできる練習はあると思います。
大事なことは、練習しなければいけないからやるのではなく、気づいたらやりたくなっていた、という状態であることです。

楽器や音楽を心から楽しんでいれば、上述したような練習はしていなくても、頭の片隅で考えることもあるのではないでしょうか。
ふとした時に曲が聴きたくなった、とかでも全然いいんです。その気持ちが一番大切です。
このブログでも、楽器や音楽の楽しみ方も発信していければと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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