右手の基本知識と練習編
ヴァイオリン弾きにとって右手は一生の課題となるものです。
今回も基本知識をまとめてみました。
また、いくつかの練習方法を上げています。
是非参考にしてください。
右手の基本知識編
弓の持ち方
- 指を手のひら側に反らないこと
- 全ての関節が手を握る方向に曲がっている状態にすること
弓の位置について
重心
- 弓を点で支えた時に水平を保てる位置のこと。
- 弓によって微妙に異なる。
- 一番コントロールがしやすい。
元弓
- 毛の付け根〜弓の重心あたりまで。
- 毛の付け根に親指が当たらないように注意すること。
- 勝手に腕の重みが乗るので、この部分で意識して圧力をかけすぎないこと。
- 力強い音を鳴らすには必ず使えている必要がある。
先弓
- 弓の先端〜弓先の毛の張りが緩んでくるあたりまで。
- 繊細な音や、鋭い音を作りたい時に使える。
- 普通に弾くと腕の重さが乗りにくいため、強い音を出す時は意識して圧力を掛ける必要がある。
中弓
- 弓の重心〜弓先の毛の張りが緩んできたあたりまで。
- コントロールしやすいが、毛の張りが緩いためこの部分で圧力をかけても費用対効果が悪い。
- 元弓と先弓で作った音を増幅させたり、薄い音を作る時に使う。
弓の持ち方
- 指を手のひら側に反らないこと
- 全ての関節が手を握る方向に曲がっている状態にすること
脱力について
弛緩している状態と脱力している状態は違う
- 手首から先をぶらぶら上下に何度か振ってみて、自然に戻ってきた位置が脱力できている位置。
- 力を入れることも抜くこともできるニュートラルな状態のことを脱力という。
練習について
ミスをしたら最初からやり直す
- とても根気が必要で、時間がかかる。
- 適当に折り合いをつけて数をこなすよりも、1回正確に弾くことのほうが圧倒的に価値がある。
ミスをしたら原因を考える
- 失敗しないようにするためにはどういう練習をすれば良いのかをまず考える。
- 例えばE線を鳴らした時に音がひっくり返ったのなら、ひっくり返る原因を考えて、そうならないようにどうすれば良いのかを考える。
- 違和感をそのままにしないこと。
- 違和感は自分にとって理想となる動きとのズレから発生している。
- 違和感の発生源が何なのかを認識することが上達につながる。
練習時間が最短になるように意識する
- 「〜の技術を習得するために練習する」等、練習する目的を考えてから練習すること。
- ロングトーンの練習をするなら、何のためにその練習をしているのかを意識すること。
- 安定した音を出す練習をするため、等。
- 理想とする演奏に近づけるために、どのような要素が必要なのかを常に考えること。
- ロングトーンの練習をするなら、何のためにその練習をしているのかを意識すること。
- 上達させたいポイントは可能な限り細分化して考えること。
ボウイング練習基本編
前提:右手の形が崩れたら最初からやり直すこと。
全弓を使ってffを鳴らす練習
- 元から先まで全てffで鳴らし切ること。
- 箱を鳴らすことを意識すること。
- 可能な限り駒寄りで真っ直ぐ弾くこと。
8拍(テンポ60)で全弓を使う練習
- 元から先まで全て同じ音質で鳴らすよう意識すること。
- 弓を返す時にスピードと圧力に差が付きすぎないように意識すること。
ボウイング練習応用編
基本編が全てできるようになってから挑戦すること。
1分間かけて弓の元から先まで使う練習
- 音を出すことではなく、弓のコントロール力を養う訓練。
- なるべく音が途切れないように意識するが、途切れても構わない。
- ただし1分間フルに使って全弓を使い切ること。
30秒かけて弓の元から先まで使う練習
- 実戦で安定した音を使えるようにする訓練。
- 音を途切れさせないこと。途切れたら最初からやり直しすこと。
弓元・弓先の数mmだけを使ってffを鳴らす練習
- 弓元はダウン、弓先はアップで強い音を鳴らす。
- 弓元は素早く、弓先は鋭く鳴らすことを意識すること。