音程についての基礎知識

これは自分用のメモでもあります。
学生時分から勉強しておくべきだった、またこれから覚えていきたい知識です。
理解していれば、格段に音程の練習がしやすくなります。その後の練習効率も目に見えて変わるでしょう。
体験してみるとより理解が進むと思うので、是非挑戦してみましょう。
※今回の記事は、レオポルト・モーツァルト(W.A.モーツァルトの父)著『ヴァイオリン奏法』〈第8章 ポジションについて 第3節〉を参考にしています。

ヴァイオリンで2つの弦を同時に弾いた時、それぞれの弦を正しい音程で鳴らすことができると、鳴らした弦の音とは別に低い音が鳴ります。これを差音といいます。
つまり、鳴らした和音が正しい音程になっているかどうかは、差音の音程が正しく鳴っているかどうかで判断することができます。
※但し、これは静かな場所で練習しないと聞き取ることができません。他の音が鳴っているオーケストラの練習場などで聞き取ることはできないでしょう。


音程の前提知識

この場ではあまり詳細には記載しませんが、音楽の授業で習ったもののおさらいくらいの感覚で記載します。
※以後、特に記載がない場合、音程は♮とします。

全音・半音

  • 全音の例:ド・レ
  • 半音の例:ミ・ファ

度数

  • 基準音と同じ音程を1度、1つ上の音程を2度という数え方をします。
    • 例1:ド・レ→2度
    • 例2:レ・ラ→5度

音程

  • 「完全・短・長・減・増」〜度、という書き方をします。
    • 短3度:音の間隔が半音3個分
      • 例:レ・ファ(レ〜ミで半音2つ、ミ〜ファは半音1つ、計3個)
    • 長3度:音の間隔が半音4個分
      • 例:ド・ミ(ド〜レで半音2つ、レ〜ミで半音2つ、計4個)
    • 完全4度:音の間隔が半音5個分
      • 例:ド・ファ(ド〜レで半音2つ、レ〜ミで半音2つ、ミ〜ファは半音1つ、計5個)
    • 増4度:音の間隔が半音6個分
      • 例:ド・ファ♯
    • 減5度:音の間隔が半音6個分
      • 例:シ・ファ
    • 完全5度:音の間隔が半音7個分
      • 例:ラ・ミ(A線とE線の開放弦)

差音について

ここからは、和音の種類によって鳴る差音の音程を書いていきます。
これらを理解していると、恐らく理解せずに練習した時の100分の1くらいの練習量で重音奏法の音程の精度を上げることができるようになると思います。

長3度の和音

  • 下の音と同じ音名の音
    • D線でA(ラ)+A線でCis(ド♯)の音を鳴らした場合→A(ラ)の音が鳴る
    • A線でF(ファ)+E線でA(ラ)の音を鳴らした場合→F(ファ)の音が鳴る

短3度の和音

  • 上の音の完全5度下(下の音の長3度下)の音名の音
    • D線でA(ラ)+A線でC(ド)の音を鳴らした場合→F(ファ)の音が鳴る
    • A線でCis(ド♯)+E線でE(ミ)の音を鳴らした場合→A(ラ)の音が鳴る

完全4度の和音

  • 上の音と同じ音名(下の音の完全5度下の音名)の音
    • A線でH(シ)+E線でE(ミ)の音を鳴らした場合→E(ミ)の音が鳴る
    • A線でD(レ)+E線でG(ソ)の音を鳴らした場合→G(ソ)の音が鳴る

完全5度の和音

  • 下の音と同じ音名の音
    • D線でD(レ)+A線でA(ラ)の音を鳴らした場合→D(レ)の音が鳴る
    • G線でG(ソ)+D線でD(レ)の音を鳴らした場合→G(ソ)の音が鳴る
    • A線でA(ラ)+E線でE(ミ)の音を鳴らした場合→A(ラ)の音が鳴る

      ※いずれもチューニングの音ですね。この差音が正しく鳴っているかどうかを確認するのが正しいチューニングのやり方です。ただし、オーケストラのチューニングの際には聞き取れないでしょう。なので、個人で練習する時に差音が正しく鳴る音程を覚えて、可能な限りそれに近づけるようにチューニングできるようにしましょう。

短6度の和音

  • 上の音の完全5度上の音(下の音の長6度下の音名)の音
    • D線でFis(ファ♯)+A線でD(レ)の音を鳴らした場合→A(ラ)の音が鳴る
    • A線でD(レ)+E線でB(シ♭)の音を鳴らした場合→F(ファ)の音が鳴る

長6度の和音

  • 下の音の完全5度下の音
    • D線でE(ミ)+A線でCis(ド♯)の音を鳴らした場合→A(ラ)の音が鳴る
    • A線でA(ラ)+E線でFis(ファ♯)の音を鳴らした場合→D(レ)の音が鳴る

今回はここまで。お疲れさまでした。
ここに書いたものはほんの一例なので、皆さんが現在弾いている曲で当てはめて考えていくと楽しめるかと思います。
楽しく学んでいきましょう!

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